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論文

${it In situ}$ WB-STEM observation of dislocation loop behavior in reactor pressure vessel steel during post-irradiation annealing

Du, Y.*; 吉田 健太*; 嶋田 雄介*; 外山 健*; 井上 耕治*; 荒河 一渡*; 鈴土 知明; Milan, K. J.*; Gerard, R.*; 大貫 惣明*; et al.

Materialia, 12, p.100778_1 - 100778_10, 2020/08

長期に原子炉圧力容器の健全性を確保するためには、照射が材料に及ぼす影響を理解する必要がある。本研究では我々が新規開発したWB-STEMを用いて、中性子照射された原子炉圧力容器試験片を焼鈍中、照射誘起転位ループの観察を行った。焼鈍温度を上げると$$<100>$$ループの割合が増加していることが確認された。また、2つの$$frac{1}{2}$$$$<111>$$ループが衝突して$$<100>$$ループになる現象の観察に初めて成功した。転位に転位ループがデコレートする現象も観察され、分子動力学シミュレーションによってそのメカニズムが説明することができた。

論文

Swelling of cold-worked austenitic stainless steels irradiated in HFIR under spectrally tailored conditions

若井 栄一; 橋本 直幸*; Robertson, J. P.*; 沢井 友次; 菱沼 章道

Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.352 - 356, 2002/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:58.11(Materials Science, Multidisciplinary)

ORNLのHFIR炉等で中性子のエネルギースペクトルを調整した照射をオーステナイト-ステンレス鋼に行い、スエリング挙動に対する冷間加工と添加元素の効果を調べた。弾き出し損傷に対するヘリウムの生成速度を約15appmHe/dpaに調整して、400$$^{circ}$$Cで17.3dpaまで照射した。試料は20%冷間加工したJPCA,316R、及び炭素濃度を0.02%に低減し、ニオブやチタンを添加した材料(C及びK材)である。照射によってこれらの材料中にはキャビティ,転位ループ及び炭化物が形成した。冷間加工したJPCAと316R材のスエリングはそれぞれ0.003%,0.004%となり、溶体化処理材に比べてやや小さくなった。また、CとK材ではそれぞれ0.02%,0.01%となり、冷間加工によってスエリングが著しく抑制された。以上のように、炭素とニオブたチタンの同時添加に冷間加工を加えることで400$$^{circ}$$Cでのスエリングは抑制された。

論文

Effect of solute atoms on swelling in Ni alloys and pure Ni under He$$^{+}$$ ion irradiation

若井 栄一; 江沢 正志*; 今村 淳子*; 武中 剛志*; 田辺 哲朗*; 大嶋 隆一郎*

Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.367 - 373, 2002/12

 被引用回数:29 パーセンタイル:84.88(Materials Science, Multidisciplinary)

Ni合金の照射による微細組織変化に及ぼす溶質原子の効果を500$$^{circ}$$Cで25keVのヘリウムイオン照射により調べた。用いた試料はNi及び溶質原子のサイズ因子が異なる数種類のNi合金(Ni-Si,Ni-Co,Ni-Cu,Mi-Mn,Ni-Pd,Ni-Nb)である。1$$times$$10$$^{19}$$ions/m$$^{2}$$まで照射すると約1.5$$times$$10$$^{22}$$m$$^{-3}$$の高密度の転位ループが形成されたが、アンダーサイズ因子を持つNi-Si合金のみ、その密度がやや高くなった。また、4$$times$$10$$^{20}$$ions/m$$^{2}$$まで照射した試料では、キャビティが成長し、溶質原子のサイズ因子に依存してスエリングが0.2%から4.5%まで変化した。キャビティの数密度は溶質原子のサイズ因子の絶対値の大きさにしたがって増加する傾向にあり、スエリング値は増加した。これらの結果と反応速度論による点欠陥濃度の計算結果からヘリウム及び原子空孔の移動度し、溶質原子とヘリウム及び原子空孔との相互作用によって影響を受けることを推測した。

論文

Microstructural evolution of Fe-Cr-W model alloys during Fe$$^{+}$$ ion irradiation

若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 高木 清一*; 安彦 兼次*

Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1176 - 1179, 2000/09

鉄イオン照射下で高純度Fe-(18-50)Cr, Fe-50Cr-(5-8)W合金の組織発達と相変態挙動を調べた。薄膜試料を用いて、透過型電子顕微鏡内で300keVの鉄イオン照射を行い、組織の発達過程をその場観察した。また、時効した組織も同様に調べた。Fe-Cr合金では500$$^{circ}$$C照射で転位ループが観察されたが、析出物形成は観察されなかった。Fe-50Cr-W合金では照射によって、転位ループが形成したが、ラーベス相が550$$sim$$700$$^{circ}$$Cの範囲で形成した。低温側では1分程度でラーベス相が形成した。また、670$$sim$$800$$^{circ}$$C照射では$$sigma$$相が形成した。これらの析出物形成の原因を調べるために、粒界近傍の溶質原子の偏析を調べたところ、$$sigma$$相が形成されない温度ではCr濃度が低下し、W濃度が増加したが、$$sigma$$相が形成する温度ではこれらの濃度変化がみられなかった。他方、熱処理のみではラーベス相が短時間では形成しないことや700$$^{circ}$$Cで1000時間時効しても$$sigma$$相が形成しないことから、照射により引き起こされる局所的な濃度変化や拡散速度の上昇がラーベス相の形成を著しく促進させ、また、$$sigma$$相形成にも大きな影響を及ぼしたと考えられる。

報告書

原子力関係材料の電子線照射効果に関する基礎研究

蔵元 英一*; 阿部 博信*; 大沢 一人*; 竹中 稔*; 長谷川 信; 平野 耕一郎

JNC TY9400 2000-007, 50 Pages, 2000/03

JNC-TY9400-2000-007.pdf:1.29MB

本報告書は、九州大学応用力学研究所と核燃料サイクル機構が、「原子力関連材料の電子線照射効果に関する基礎研究」に関して、共同で実施した研究成果をとりまとめたものである。本研究の目的は、原子炉中性子などの照射環境下で使用される原子力関連材料(鉄銅合金他)の特性変化の基礎過程を明らかにするために、これらの材料に対する電子線照射効果を実験的手法および計算機シミュレーションなどを通してその基礎的側面から解明していくことである。高純度の鉄中における照射欠陥と銅原子の相互作用に関して、電気抵抗測定、陽電子消滅寿命測定などからそのミクロ過程に関する情報が得られた。すなわち照射で導入された原子空孔、格子間原子と強い相互作用を有して等時焼鈍回復過程に大きな影響を与えることが判明した。このことは銅原子の照射促進析出に繋がるものとして重要な結果である。また、種々の欠陥集合体に関する計算機シミュレーションをモデル結晶中で行い、その原子構造、動的挙動、転位との相互作用などに関する情報が得られた。格子間原子の微小集合体はサイズの増大とともに転位ループとしての性質をもち、移動の活性化エネルギーも低いなどの結果が得られた。また、今後の課題も明らかにした。

論文

Hydrogen production effect on microstructure of HFIR; Irradiated low activation F82H steel using $$^{54}$$Fe isotope

若井 栄一; 橋本 直幸*; 芝 清之; 三輪 幸夫; J.P.Robertson*; R.L.Klueh*

Fusion Materials, 313(25), p.151 - 160, 1999/04

低放射化フェライト鋼であるF82Hに対し、その水素の効果を調べるために、$$^{54}$$Feを用いてF82H鋼(F82H($$^{54}$$Fe)を作成し、中性子照射を行った。照射は米国HFIR炉において、250$$^{circ}$$Cで約3dpaまで行った。照射によって生成される水素量はF82H($$^{54}$$Fe)材と標準材でそれぞれ68と5appm程度と推定される。照射前のF82H($$^{54}$$Fe)材の組織は、標準材のそれとほぼ同じであった。照射後、微細なキャビティがF82H($$^{54}$$Fe)材でのみ観察され、そのスエリング量は0.0001%程度であった。一方、照射によって高密度の転位ループが標準材及びF82H($$^{54}$$Fe)材で形成され、その数密度と平均の大きさはそれぞれ、1.4$$times$$10$$^{22}$$m$$^{-3}$$と7.9nm及び2.1$$times$$10$$^{22}$$m$$^{-3}$$と6.6nmであった。標準材では(1/2)$$<$$111$$>$$タイプのバーガースペクトルを持つ転位ループが形成したのに対し、F82H($$^{54}$$Fe)材では111と100の2タイプのループが形成した。またF82H($$^{54}$$Fe)材における111タイプの割合は全体の73%程度であった。

論文

Effect of triple beam irradiation on microstructural evolution in austenitic stainless steel

浜田 省三; Y.C.Zhang*; 三輪 幸夫; 八巻 大樹

Radiation Physics and Chemistry, 50(6), p.555 - 559, 1997/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:59.76(Chemistry, Physical)

オーステナイトステンレス鋼をトリプルビーム照射して、微細組織に及ぼすトリプルビームの照射効果を調べた。照射は12MeV Ni,35keV H及び1MeVのHeのトリプルビームを用いて、300~400$$^{circ}$$Cで同時照射によって行った。照射後クロスセクション法により薄膜試料を作製し、透過電子顕微鏡観察に供した。観察の結果、トリプルビーム照射領域とそうでない領域では、転位ループの数密度に大きな差が見られた。すなわち、トリプルビーム照射された領域での転位ループの数密度は、Niイオンによりはじき出し損傷のみを受けた領域でのそれと比べて、同程度の損傷量であるにも拘らず、かなり低い。このことから、比較的低い温度でトリプルビーム照射したオーステナイト鋼では転位ループの成長・移動が促進されることが考えられる。

論文

Effects of purity and Cr concentration on microstructural evolution in Fe-Cr alloys during electron irradiation

若井 栄一; 菱沼 章道; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*

日本金属学会講演概要,1994秋期 (第115回)大会, 0, p.488 - 494, 1994/00

Fe-Cr合金の原子炉材料への応用において、主な問題は照射脆性と照射によって生じる延性-脆化温度のシフトである。本研究ではこれらの初期過程における転位ループの発達に対する純度の効果を明らかにするために、99.7%と99.99%の2種類の純度のFe-Cr合金を作製し、室温から773Kの温度において1MeVの電子を照射した。低純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉のバーガースベクトルを持つ転位ループのみが観察されたが、高純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉型と{111}面にa/2〈111〉型の2種類の転位ループが観察された。a/2〈111〉型の転位ループの成長速度は723Kより高温側で、a〈100〉型の転位ループより速く、それより低温側ではやや遅くなることが分かった。これらの結果は、転位ループの成長速度がバイアス効果にコントロールされているだけではなく、ループの安定性によってもコントロールされていることを示している。

論文

Evolution of structural damage in aluminum alloys irradiated with helium ions

神垣 信生*; 古野 茂実; 北條 喜一; 小野 興太郎*; 橋本 英二*; 出井 数彦*; 紀 隆雄*

Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1214 - 1218, 1992/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:41.92(Materials Science, Multidisciplinary)

AlおよびAl合金に10keVのHe$$^{+}$$イオンを種々の温度で照射し、またその後の焼鈍中の転移ループの挙動を調べ、次の結果を得た。17Kで転位ループが形成されること、純Alにおいて、焼鈍中の転位ループの挙動は照射中のイオン強度に依存すること、および添加元素の濃度が大であると、473Kにおいても、転位ループが形成されることを明らかにした。これらの結果について、照射温度と強度および添加元素の種類と濃度を考慮して、転位ループの形成、成長、消滅過程を検討した結果を報告する。

論文

Radiation-induced segregation in FFTF-irradiated austenitic stainless steels

E.A.Kenik*; 北條 喜一

Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1331 - 1335, 1992/00

 被引用回数:34 パーセンタイル:92.8(Materials Science, Multidisciplinary)

この報告はORNLにおけるHFIR/ORRの日米共同実験で得られた成果をまとめたものである。FFTF内で高速中性子照射したUSPCAとEP838材の照射誘起偏析を分析電子顕微鏡を用いて分析した。測定はエネルギー分散型X線分光器(EDS)と透過電子エネルギー損失分光器(EELS)を用いて行った。その結果、USPCAでは転位ループ上に多量のNiとSiの偏析と、FeとCrの減少が見出された。又EP838材の粒界には、Ni,Si,Feの増加とMn,Moの減少とが生じているのを明らかにした。

論文

Formation of interstitial loops on transmutation products in aluminum

小野 興太郎*; 小川 英典*; 古野 茂実; 紀 隆雄*; 神垣 信生*; 北條 喜一; 柴谷 一弘*; 影山 善隆*; 水野 薫*; 伊藤 一義*

Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1209 - 1213, 1992/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

高温で中性子照射したAlでは、電顕で照射欠陥は観察されないが、その後の電子線照射によって、転位ループの形成が非照射試料に比べて、促進される。これは試料中に残存する核変換生成物Si,HあるいはHeによる効果と考えられる。この効果を定量的に調べるために、Alに上記元素を添加あるいは注入した試料を用いて、電顕内で200kVの電子線で100~350Kで照射を行った。形成される転位ループの密度は添加元素の濃度増加に従って、増加し、また照射温度の上昇に従って、減小することを明らかにした。これらの結果の解析から、これらの添加元素が、格子間原子を捕獲して、転位ループ形成の核となり、形成を促進するものと結論した。

論文

Microstructural evolution of Ba$$_{2}$$YCu$$_{3}$$O$$_{7}$$ superconductor by electron irradiation in a transmission electron microscope

白石 健介; 伊藤 洋

Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.169, p.835 - 838, 1990/00

酸化物高温超電導体Ba$$_{2}$$YCu$$_{3}$$O$$_{7}$$の臨界電流密度向上に及ぼす放射線照射効果の機構を調べるために、加速電圧200kVの透過電子顕微鏡で観察中の試料に輝度を強くして電子線を照射し、微細組織の変化を連続的に輝察した。試料の{110}面にほぼ垂直な方向から電子線を入射すると、薄層、薄片及び幅の広い双晶組織のほかに転位ループなどの欠陥が観察される。とくに、{110}面の反射が電子顕微鏡組織に寄与する領域では欠陥の数密度が大きい。線束が1$$times$$10$$^{18}$$e/cm$$^{2}$$・s程度の電子線を1$$times$$10$$^{20}$$~2$$times$$10$$^{21}$$e/cm$$^{2}$$の範囲で照射すると、{110}面上に5nm程度の直径をもった転位ループが生成するほか、薄片状の双晶が長く伸びるほか幅も広がる現象が観察された。これらのことは、電子線照射によるBa$$_{2}$$YCu$$_{3}$$O$$_{7}$$超電導体の臨界電流密度の向上は、磁束のピンニングセンターとして作用する転位ループ及び双晶の密度の増加によることを示している。

論文

In-situ observation system of the dynamic process of structual changes during ion irradiation and its application to SiC and TiC crystals

北條 喜一; 古野 茂実; 大津 仁; 出井 数彦; 塚本 哲生*

Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.298 - 302, 1988/00

 被引用回数:31 パーセンタイル:91.98(Materials Science, Multidisciplinary)

当研究室においてイオン照射に伴う点欠陥形成とイオン注入とを同時に進行する条件下での損傷の動的過程を透過型電顕内でその場観察する装置を設置した。この装置の概要及びその応用例について報告する。イオン照射系はイオン銃(デュオプラズマ型)と選別マグネット(30°偏向)及び電顕内付設静電プリズムよりなる。イオン電流は試料上でビーム径1mm$$phi$$に対して約1$$mu$$A(He$$^{+}$$イオン:10KeV)である。又試料は加熱ホルダーで約800$$^{circ}$$Cまで加熱することができる。電顕内蛍光板上の像は高感度撮像管を通してTVモニターで観察しつつVTRに録画できる。 この装置を用いてSiCおよびTiC結晶に室温でFlux3$$times$$10$$^{1}$$$$^{4}$$ions・cm$$^{-}$$$$^{2}$$・sec$$^{-}$$$$^{1}$$(10KeV)でHe$$^{+}$$イオンを照射した結果、SiCは初期段階で非晶質化し、さらにfluenceを増加させ10$$^{1}$$$$^{7}$$・cm$$^{-}$$$$^{2}$$オーダになるとバブルの成長・合体が急激に起った。TiCはSiCと違い非晶質化はせず微細な転位ループが多数発生することがわかった。

論文

Effect of external stress on the microstructural change during electron-irradiation in nickel

實川 資朗; 片野 吉男; 白石 健介

Journal of Nuclear Science and Technology, 21(9), p.671 - 677, 1984/00

 被引用回数:14 パーセンタイル:79.2(Nuclear Science & Technology)

照射下に於けるミクロ組織の変化に対する外力の効果を調べるために、超高圧電子顕微鏡を用いて電子線照射下の純ニッケル中のミクロ組織変化を試料引張ステージを用いて、その場観察してみた。照射温度は723K,電子線束は1$$times$$10$$^{2}$$$$^{3}$$e/m$$^{2}$$sとした。外力が加わっている試料では、照射により生じたフランク・ループが、10nm程度にまで成長するとUnfaultすることが観察された。外力を加えていない試料中に発生したフランク・ループも外力が加えられるとUnfaultした。Unfaultを生じさせ得る外力の大きさは、照射温度723Kのとき、$$<$$112$$>$$Unfault方向の剪断応力で、3.7MPa以上であることがわかった。Unfaultして生じた完全転位ループの成長速度は、フランク・ループのそれより3倍程度と大きかった。外力の加わっている試料中に於いては、これらの完全転位ループは、その大きさがある大きさを越えるまで成長すると、すべり運動をして拡がった。

論文

ステンレス鋼における炭素イオンの飛程の測定

浜田 省三; 沢井 友次; 白石 健介

日本原子力学会誌, 26(8), p.695 - 697, 1984/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.3(Nuclear Science & Technology)

ヘリウムイオンのステンレス鋼中の平均飛程は、照射試料の入射面に垂直な断面を化学腐食することによって精度よく測定できると報告されている。この方法が不活性ガスイオンばかりではなく、一般の高エネルギー重イオン照射の場合にも適用できることを確かめるために、炭素イオンをステンレス鋼に照射して、化学腐食法によって平均飛程を測定し、計算で求めた値と比較・検討した。タンデム加速器を用いて40MeVの炭素イオンを雰囲気温度で316ステンレス鋼に照射した。照射試料の入射面に垂直な断面を化学腐食すると入射面に平行な腐食線が入射面から18~19$$mu$$mの距離に観察された。この腐食線を含む領域を電子顕微鏡で観察すると転位ループが集合した帯が入射面に平行に観られた。この結果から、腐食線は平均飛程に対応していることがわかった。この腐食線の入射面からの距離18.5$$mu$$mは計算で求めた平均飛程18.7$$mu$$mとよい一致を示す。

論文

ステンレス鋼におけるヘリウム・イオンの飛程測定

深井 勝麿; 白石 健介

日本原子力学会誌, 25(2), p.123 - 125, 1983/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.29(Nuclear Science & Technology)

中性子照射損傷の模擬試験としてイオン照射実験を行う場合、イオン照射によって試料中に生じる欠陥の分布についてよく調べておかなくてはならない。溶体化処理した316ステンレス鋼に24MeVのヘリウム・イオンを照射した後750$$^{circ}$$Cで1時間熱処理し化学エッチをすると照射面から107$$mu$$mの距離に2本の平行線が現われる。この2本の線は、照射試料の断面の電子顕微鏡組織観察で観られる、2列に並んだフランク型の転位ループに対応している。このフランク型の転位ループは、照射後熱処理した試料に生じるヘリウム気泡が分布する領域の両側に生じるものであり、ヘリウムの気泡の分布は室温で入射したヘリウムの分布とそれほど異っていないので、化学エッチで観られる2本の平行線の中心線が入射ヘリウムの平均の飛程を表わすものであると結論できる。このようにして測定したステンレス鋼中のヘリウムの平均飛程は22~32MeVのエネルギー範囲で計算によって求めた値とよい一致を示す。

論文

Radiation damage in stainless steel electron irradiated in a high voltage electron microscope

菱沼 章道; 片野 吉男; 深谷 清; 白石 健介

Journal of Nuclear Science and Technology, 13(11), p.656 - 662, 1976/11

 被引用回数:8

超高圧電子顕微鏡を用いて電子線照射したステンレス鋼に生ずる照射欠陥の様子を照射温度および照射量の関数として連続観察した。300$$^{circ}$$C以下の照射温度では転位ループは大きく成長しないが、照射温度を400$$^{circ}$$Cに上げると六角形をしたフランク型,ダイヤモンド型転位ループと複雑な形をしたフランク型の転位ループが観察された。ダイヤモンド型転位ループは照射量と共に大きく成長し、転位線から転位鋼に発達する。いっぽうフランク型転位ループは一度完全転位ループとなり転位線へと変化する。500$$^{circ}$$Cで数dpa照射した試料では転位ループと歪のコントラストを持ったボイドの生成核が観察された。さらに照射すると転位ループは急激に成長し転位鋼を形成する。いっぽうボイドは照射量と共に成長するがその数はほとんど変らない。また500$$^{circ}$$Cでの照射では粒界の移動が観察された。

報告書

Annealing behavior of radiation hardening in molybdenum neutron irradiated at 600$$^{circ}$$C

白石 健介; 深谷 清; 片野 吉男

JAERI-M 6214, 20 Pages, 1975/08

JAERI-M-6214.pdf:1.14MB

JRR-2を用いて高温(約600$$^{circ}$$C)で8.0$$times$$10$$^{1}$$$$^{9}$$n/cm$$^{2}$$まで高速中性子照射したモリブデンの室温における引張性質の照射および照射後の熱処理による変化の様子を電子顕微鏡の変化と関連させて調べた。この中性子照射によって約4kg/mm$$^{2}$$の硬化が生じるが、これは照射中に生じた直径50A程度の転位ループによるものである。照射した試料を800$$^{circ}$$Cで1時間熱処理すると3$$times$$10$$^{1}$$$$^{6}$$/cm$$^{3}$$の密度で小さなボイドが生成し、このボイドによって18kg/mm$$^{2}$$の硬化が生じる。照射後の熱処理の温度を1000$$^{circ}$$C以上に上げるとボイドは成長し、その密度は減少する。1200$$^{circ}$$Cで1時間熱処理した試料には3$$times$$10$$^{1}$$$$^{3}$$/cm$$^{3}$$の密度で比較的大きなボイドが観られるが、この試料の硬化量は照射したままの試料の硬化量とほぼ同程度である。なお、800$$^{circ}$$Cから1200$$^{circ}$$Cの温度範囲で熱処理した試料には比較的大きな転位ループとやや不均一に分布したボイドが観察される。

論文

Anneal hardening of molybdenum neutron irradiated at 600$$^{circ}$$C

白石 健介; 深谷 清; 片野 吉男

Journal of Nuclear Materials, 57(3), p.361 - 364, 1975/03

 被引用回数:13

高温(約600$$^{circ}$$C)で8.0$$times$$10$$^{1}$$$$^{9}$$n/cm$$^{2}$$まで高速中性子照射したモリブデンの室温における引張性質の照射および照射後の熱処理による変化の様子を電子顕微鏡組織の変化と関連させて調べた。照射したままの試料には比較的大きな転位ループと小さな照射欠陥集合体とが観察され、これらの欠陥によって約4kg/mm$$^{2}$$の硬化が生じる。この試料を800$$^{circ}$$Cで1時間熱処理すると3$$times$$10$$^{1}$$$$^{6}$$/cm$$^{3}$$の密度で小さなボイドが生成し、18kg/mm$$^{2}$$の硬化が認められる。照射後の熱処理温度をさらに上げるとボイドは大きくなりその密度は減少し、これにともなって硬化量も減少する。1200$$^{circ}$$Cで1時間熱処理した試料には3$$times$$10$$^{1}$$$$^{3}$$/cm$$^{3}$$の密度でボイドが観られるが、この試料の硬化量は照射したままの試料の硬化量と同程度である。なお、800$$^{circ}$$Cから1200$$^{circ}$$Cの温度範囲で熱処理した試料には比較的大きな転位ループとやや不均一に分布したボイドが観察される。

論文

Radiation-generated prismatic loops around gas bubbles in alumnium-lithium alloy

白石 健介; 菱沼 章道; 片野 吉男

Radiat.Eff., 21(3), p.161 - 164, 1974/03

中性子照射したAl-Li合金にはHeの気泡が観られる。気泡の中の圧力が平衡圧より高い場合には、200KVの電子顕微鏡で試料の温度を200$$^{circ}$$Cに上げて観察中に気泡の周囲に転位ループの列が生成する。$$<$$110$$>$$方向に並んだ転位ループは{111}面に載っており、a/2$$<$$110$$>$$のバーガース・ベクトルをもっている。加速電圧1000KVの超高圧電子顕微鏡による観察では、この転位ループ列の生成は50$$^{circ}$$Cの温度で短時間におこる。転位ループは、電子線照射によって生じた空格子点が歪の最も大きい気泡の表面近くで{111}面上に析出し、気泡による歪場によってa/2$$<$$110$$>$$のバーガース・ベクトルをもった完全転位ループになることによって生成すると考えられる。また、転位ループの列は過飽和に存在する空格子点に助けられた$$<$$110$$>$$方向への転位ループの辷りによるものであると考えられる。

口頭

鉄鋼材料の転位ループモデリング; 分子動力学シミュレーションの現状と課題

鈴土 知明

no journal, , 

原子力鉄鋼材料の照射脆化の主な原因の一つとして転位ループ形成による硬化が考えられる。近年、ナノスケールでその現象を理解するため、WB-STEMを用いて微小な転位ループの観察を行われている。しかしながら、問題となる現象の時間スケールは非常に小さく、実験観察のみでは静的な状態を捉えられても、動的性質までは理解できない。そのため、分子動力学(MD)シミュレーションによって実験観察を補間することが重要となる。本発表では転位ループのモデリングの現状と将来展望について述べる。

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